冨樫「漫画において主人公の親は邪魔でしかない」 尾田っち「冒険の対義語は母親」
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たしかに😲
冨樫
僕が今まで描いてきた漫画は、主人公も含めてみんな片親だったり、色んな家庭環境のキャラクターが多いんですよね。僕自身はいまだに両親も健在だし、よくある家庭環境でしたけど(笑)。でも、漫画を描いてみたらそういう家庭環境になりますね。特に主人公とか、長く描いていくだろうなってキャラクターは全部、そんな感じです。まあ、元々、漫画の中に親とかは邪魔だと思っているんですよね。
石田
確かに自分も、作品的に親の存在が邪魔に思える時があって、例えば「スターウォーズ」では最初に育ての親が殺されたり、「ガンダム」でも最初に親と死別して物語が始まったりとか、実は作品を作る上で「親はいない方が良い」みたいなセオリーがあるのかな、って漠然と考えていていました。
冨樫
そうですね。基本的に漫画における親っていうのは、主人公がやることを反対する立場の人間ですから。例えば「HUNTER×HUNTER」の主人公のゴンは、現実世界では小学生高学年ぐらいです。もし彼にきちんとした親がいるとすると、自分の子供を危険な旅に出させるわけがないな、とか考え出すと、本当にもう親って邪魔だなと(笑)。それなら最初からいない方がいいなって考えていたら、結局“親を探す”ということが目的になり、そして“親をひどいヤツににする”というコンセプトが出来上がったんです。